袖
着物の特徴の一つに袖があります。
外国の人がたまに、どうして着物には袖があるの?という質問をされます。
答えとしては、人間を大きく見せるためとか、適当な説明をするわけです。
それでも、最近もっとまともな理由を見つけました。袖が無いと腕を着物の中に入れられないので、三船敏郎さんのようなかっこいいポーズがとれなくなるのです。これは説得力あるな。笑 袖がないと懐に手を入れられないので、お財布もこれが出来ないと、取り出せません。
西洋の洋服は、目指すところが、動物の毛皮みたいなものなので、行動を邪魔しないように、どんどん身体に密着していきます。陸上の女子のユニホームにいたっては、ほとんど裸で走っている様で、とてもハレンチな姿になっていってるわけです。
それに比べて、着物は無駄が多すぎて、不便に感じることでしょう。平面で作られた着物を立体な身体にまとうわけですから、隙間だらけになるわけです。なので合理的に物事を考るひとからすれば、着物など滅びればいいと考えていることでしょうね。
それはさておき、このブログは所作についてですので、書きますと。
例えば、何か物を取るときに、洋服だとたぶん、最短距離で目的物に向かうと思います。
ところが、袖がありますと、最短距離では、袖がいろいろな所に当たって、邪魔なのです。ですから、内側から回すか、外側から回す動きになります。
写真は、袖をとって、内側から目的物に向かいます。だから、着物は不便だとか、思わないで下さい。こうして肘から動きますと、型ができますので、体幹が、全然ちがうと思います。やってみてください、そして違いを感じてみてください。何が違うかまったく分からない人は、日本文化に無縁な人です。
同じように外側からも回せます。写真は、刀を取るときの動きにしています
つまりですね。袖を綺麗に見せるように動けば、それが、所作の型になるわけです。とても簡単なお話なのです。洋服ですと、合理的に動ける反面、肩こりや、肘が痛いとか、手首が痛いとか、まあ医者が喜ぶようなことになりますが、着物で所作をとれば、身体をむやみに壊すことがなくなるというわけです。みなさんも着物を着たら、袖の動きをきにしてみてください。
ありがとうございました