持つ

日本人は、物(道具)を拘束するように持ちません。

例えば、フォークやナイフを持ってみて下さい。このとき、持ったナイフは、抜けたりしません、しっかりとホールドしています。つまり拘束しているわけです。ところが、お箸を持ってみて下さい。このお箸、誰かに引っ張られたら、簡単に抜けてしまうと思います。拘束していないわけです。

それは、刀も同じです、簡単に取られてしまいます。
アニメ、呪術廻戦に出てくるキャラの三輪霞さんが、シン・陰流の使い手ですが、よく刀を奪われます。笑。ある意味、正しい刀の持ち方なのです。

日本以外の剣でしたら、たぶん、しっかりホールドして持つと思いますし、抜かれたら気づいて抵抗するわけです。

どうしてなの?

考察1.道具と我に主従関係をつくらない。むしろ道具に主導権をわたし、従うことで、学びを得るわけです。刀も刃筋に従えとは、よく言われることですね。(検索するとあまり出て来ませんでした。笑)

考察2. 日本人は、物も生き物として捉えていますので、拘束して駄目なのは、明々白々です。そこで、しっかり道具と同調をすることで、身体の一部にする。つまり自分と同化して、新しい経験をして、生活を豊かにしていくわけです。

現在では、身体を道具(機械)としてとらえ、自分の意のままにすることをあたりまえとする考えが主流ですが、昔の日本人は、自分の身体を、我が家にきた客人として捉え、おもてなしをしたわけです。

それは、身体を生き物として捉え、拘束せずに身体に従って、学びを得る、そして、一体化して、豊かに生活をするという思想があったわけですね。

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