掌 たなごころ

昔、宮城教育大学の竹内敏晴先生の授業を受けたときに、ひとに触れるときは、必ずたなごころを着けなさいと教わりました。実際に触ってもらえば、すぐに理解できることです。全然ちがいます。掌が触れていないと、無意識に相手を拒否して抵抗します。ところが、掌で触れられれば、もう無意識に相手を受け入れているんです。不思議ですね。


そんなわけで、大事なのは、この掌は、堅くならないように心がけることになります。
じゃんけんで、パーって出してみて下さい。たぶん、堅くなりますよね。ですから、こんなに手のひらを開くことは、所作的にはダメだということになります。ですから、指も少し曲がっているぐらいが、手のひらを開いた状態になります。

次に拳を握ってみて下さい。それで、力を入れてみて下さい。たぶん、ほとんどの人が手首を固めてしまったと思います。拳をにぎったのに手首を固めてしまうということは、先ほどの手のひらの真ん中も堅くなっている思います。そして、手首を固めるのは、防御本能が働いているわけです。防御するということは、相手を敵と見なしているわけですね。それでは、相手と同調することも難しくなります。
しかも、実際はこの拳で、何かを殴りますと、手首を痛めてしまいます。気をつけて下さい。防御があだとなります。

では、どうするかといいますと、掌が深くなっていくように、拳を握ってみて下さい。こうすれば、力を入れてみても手首を固めると言うことは無くなるとおもいます。そして、怪我も減るというわけです。これなら、相手と同調をすることも可能になります。つまり、これが日本の所作の型になります。

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