片貝木綿

新潟県小千谷市の職人の町、片貝町で、片貝木綿は生まれました。

綿は吸水性に優れていて、表面が平らなので、肌にまとわりつくのが難点ですが、太さの異なる3種類の糸を組み合わせて織ることで、細い糸が肌に当たらずに、空気をはらみ、サラッとした感触が続くように仕上げてあります。また、太い糸と細い糸を混ぜることで、糸の良さが表情として現れるようです。

片貝木綿は、綿を捻って糸にした後に加工をしていません。捻りの甘い状態で織ってあります。それにより、綿が空気をはらんで、ふっくらした布地が織りあがります。太細を混ぜることで、太い糸が背骨のような役割を果たして、洗えば洗うほど、糸自体が綿にもどろうとする力が働いて、型崩れしにくく、しわになりにくい良さがあります。

織り終わった生地は、棒に引っ掛けて、天井から「だら干し」します。機械で乾燥させると生地の幅や丈が詰まり、仕立てた時に縮んでしまいます。一晩かけて、自然に乾燥させることで、無理なく生地が詰まり、ふっくらと柔らかいまま乾くのです。片貝木綿は、着るほどにだんだんと肌に合うようになり、着やすさが増していくわけです。

片貝木綿の製法は、昔のままで、撚った糸を加工せずに自然のまま使うので、織る際に力がかかると糸が抜けたり切れたりします。それだけ扱いが難しいので、時間と手間をかけて作られていくわけです。効率化をはからず、木綿にとって一番良く、やさしい風合いになるように、丁寧に作られているわけです。

 

 

 

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