着物は、日本文化の最後の砦になると思います。
その着物の売上は、この30年で6分の1にまで縮小しました。
こうした流れを受けて経産省もいろいろと対策を考えているようです。
そうしたなか問題のひとつは、文科省は無関心であるという事です。
事実、ある先生が着物で学校の教壇に立ったら、学校側から、
遠回しに禁止されたという話も聞いた事があります。
きものの日だけ、デモンストレーションのように着物でお役所に出勤しても
それは許してくれる、というのでは、ちょっと違和感を覚えます。
着物産業を支えるために経済理論は、欠かせないのは間違いないですが、
経済面だけを考えて進みますと、結局のところ着物文化は滅びるでしょう。
文化という側面を失えばファッションの一つのスタイルであり、
高価な生地として、素材としての着物といった位置づけになり、
ニーズがなくなれば、いつでも破棄できる商品の一つになってしまいます。
ですから、経済面だけで考えるのではなく時間(歴史)や文化としての価値を
まず、再認識する必要がありそうです。
ニーズがないからと捨てるのは簡単ですが、もう一度欲しいと思っても
また、百年二百年と年数があっても再現するのは、無理な技術なのですから。
継承することの大切さを真剣に考えたいところです。